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アレルギー反応

こんにちは。現在、免疫の講義を受けているのですが、アレルギー分類のⅠ型で蜂に刺された場合に起きる反応にアナフィラキシーショックがあると思うのですが、1回目に刺されてもアレルギー反応は起こさず、2回目に刺されたときにアナフィラキシーショックを起こす場合の作用機序を教えてください。よろしくお願いします。

回答2件

  • こんにちは。
    講義を受講頂きありがとうございます!
    しっかりと勉強されている、とても良い質問ですね。

    結論からいうと、まず厳密にはアナフィラキシー(反応)とアナフィラキシーショックは、意味合い(定義)が異なります
    アナフィラキシーとは「アレルゲン等の侵入により、免疫機序によって複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与えうる過剰反応」を指し、「アナフィラキシーによって血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショック」といいます。
    アレルギー反応によって全身発疹や頻脈、呼吸困難などの症状が出現することをアナフィラキシー、更に血圧低下や意識障害も生じているとショック、というわけです。

    通常、ハチなどに刺されると、体内で「危険な物質が入ってきた!」と判断され、抗原(ハチ毒)に対する防御反応が起こりIgEが産生されます。このIgE抗体は、粘膜などにある肥満細胞と結合し、次にハチに刺された時に備えます。刺された部位は激しい痛みが出現し、発赤・腫脹しますが、これはハチ毒の刺激作用によるもので、初めて刺された場合、通常は1日以内に症状は治まります。

    しかしその後、再びハチ毒が体内に入ってくると、ハチ毒は既に産生されていたIgE抗体や肥満細胞に結合します。すると肥満細胞が活性化し、ヒスタミンやロイコトルエンなどが大量に放出され全身の臓器に作用します。この一連の流れがI型アレルギーです。こうした機序により、過剰反応がさらに過激に急速に進行するため、刺された直後から蕁麻疹(じんましん)や喘鳴を生じたり、ひどい場合には刺されて30分~1時間程で意識消失や血圧低下などを生じて死に至ることがあります。

    つまり、1回目のアナフィラキシー反応よりも、2回目以降の方がショックに成りやすい、ということです。

    なお、実際の反応には個人差が大きく、一度刺されただけで死に至る(=ショックとなる)人もいれば、複数回刺されても問題ない人もいます。人体って不思議ですよね。
    ちなみに、アナフィラキシーショックについては『救急』の講義でも詳しく扱うので、乞うご期待ください!

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  • とてもわかりやすい回答ありがとうございます。アナフィラキシー反応とアナフィラキシーショックの定義の違いやアレルギー反応には個人差があること、また、二回目に刺されたときの作用機序についても理解できました。救急の講義楽しみにしています!

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